入社のきっかけを教えてください。
前職ではウエディング専門の撮影スタッフをしていました。自分の結婚を機に転職を考え始め、以前からモノづくりが好きで、ファッション系の専門学校にも通っていたので、思い切ってモノづくりの世界にチャレンジしようと思ったんです。
面接後に職場見学をしたときに、ベテランの職人の方や管理職の方が率先して私たちにも挨拶してくださったのが印象的で。
挨拶って、社会人としては当たり前のことですが、経験を積むほど疎かにしがちな側面もあると思っていたのですが、
ここではスタッフを支える側の方たちがそうした価値観をしっかり持っておられると感じて、とても魅力的にみえたんです。
今はどんな仕事をされていますか?
ミシンを使った作業をしています。私は主にバッグを担当していまして、糸をほどいて補強した修理箇所を、ほどく前と同じ状態に縫い直しています。作業工程としては最終段階にあたるので、私のところにくるまで、いろんな職人の手が加わっている。そう思うと気が抜けませんね。納期が迫りながらもミスは許されない仕事を重ねるうちに、責任感が強くなりました。
どんなときにやりがい、おもしろさを感じますか?
トップブランドのモノづくりの違いが見られる点でしょうか。もともと、専門学校でバッグ製作を学んでいたので、構造に興味があるんです。やはりトップブランドの製品はとても丁寧に作られていますし、ブランドによっては簡単にできてしまうような造りにもあえて独自の構造を施して、差別化を図っていることもある。どのブランドもネームバリューだけで勝負せず、一つひとつの製品にオリジナリティを追求しているのがよくわかるので、修理する手にも自然と力が入りますね。
ですが、いくらバッグの製作経験があっても、修理作業は製作とは真逆の作業。今でも難しさを感じます。新人の頃は、先輩に目標とする作業完了時間を設定してもらうのですが、私は最初の目標を達成できるまで3年かかりました。最初は無理だと思っていたことも、時間をかければできるようになる。そういう経験の繰り返しが、やり甲斐にもつながっています。
この仕事に関心のある方にメッセージを。
当社のスタッフのほとんどが、ミシンを触ったことがないという未経験者から始めてきました。最初の頃は「ダメだ、この仕事に向いていない」と感じるときもあるかもしれませんが、それはスタッフ全員が一度は通る道。みなそれぞれに自分なりに仕事の面白みを見つけて、長く続けています。みんなそうした新人時代を経ているので、できないことへの理解は高いと思いますし、やる気のある人をサポートして、新しいスタッフを育てたいという気持ちでいます。
この仕事は、各ブランドから受注をとってくれる営業さんと、実際に修理作業をする私たちが、お互いに感謝し合って成り立つ仕事です。そういう気持ちを忘れずに、職人として一緒に努力していけるといいですね。
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