レザーアートに入社されたきっかけを教えてください。
前職では資格の学校の営業担当をしていました。大学を卒業して前職に就くまでに、工場などで手作業の多いアルバイトをしたことがあって、自分でも性に合っているなと思っていたんです。転職を考えていた時にたまたま当社の募集を見つけて、革製品も好きだし「未経験もOK」とあるので、思い切って応募しました。入社14年目の今は、補強のセクションを担当しています。伝票の指示通りに修理ができているか、ブランドの雰囲気に合っているか…。自分たちの仕事がブランドのコンセプトや雰囲気を崩していないか、どんなに経験を積んだ今でも厳しくチェックしながら作業しています。
この仕事にやりがいを感じるのはどんなときですか?
私たちが修理するものの中には、ビンテージ品や既に製造休止されているもの、また「形見」として使い続けておられるものなどもあって、「この世界でたった一つのものを修理する」というプレッシャーは常に感じています。お客様によっては、地元の修理屋さんに断られて、あちこち探して、やっと当社を見つけられたという方もいらっしゃいます。そうしたお客様からお手紙やメール、お電話でお礼をいただいたときはやはりうれしいですね。お客様からの声は、朝礼の時に社長がみんなに伝えてくれるんですよ。
印象に残っているエピソードを教えてください。
入社して1週間くらい経った頃でしょうか。それまで先輩の手伝いをしていたのですが、初めて私が商品修理を任されることになって。丁寧にやろうと思って時間をかけてやっていたら、見かねた先輩から「お前は勘違いしている」と言われたんです。「時間をかけてきれいにするのは誰でもできる。職人は、決められた時間で最高のパフォーマンスをしないといけない。10人のうちの一人からいいねと言われる仕事じゃなくて、10人いれば10人を感動させるレベルの仕事をやらないとアカン」と。かなり厳しい言葉でしたが、好きな手仕事をしている、という意識から「自分は修理のプロなんだ」という自覚が芽生えました。この仕事を続ける限り「一生勉強」という気持ちで、これからも仕事に接していきたいと思います。
レザーアートに関心のある方にメッセージを。
当社のように、トップブランドの商品を自分の手で扱える仕事は少ないと思います。トップブランドを支える裏方の仕事ですが、各ブランドから認めてもらえるのも、私たち職人に世界に通用する技術力があるからだという自負があります。誰にも真似できない、世界レベルの技術を次の世代につなげるために、明るくて発想力がある人が新しい仲間として入ってくれるとうれしいですね
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